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第67章 Home Doctor by つぎこ
静まりかえった、夜の診察室。
午後の診察を終え、諸々のデータ整理のため、黙々とパソコンに向かう。
「…今夜はこれくらいかな。」
うーんと、伸びをして、イスをクルリと回す。
…。
誰もいないはずの診察室。
いや、確かに誰もいなかった。
なのに、いつからそこにいたのか診察台には潤が寝そべり、こっちを見つめていた。
「…声くらい、掛けろよな。」
ホント、毎回毎回…。
「 いや、集中してたみたいだからさ。」
俺を見つめる、悪戯っぽい瞳。
コイツはこうして忍び込んできては、まるで当たり前のように、そこにいる。
「…で、終わったの?」
潤は診察台から起き上がると、診察室を見回した。
「 また増えてる(笑)。相変わらずハイテクだよね。」
「…まぁね。」
ここは俺の城。
昭和初期に建てられたという、西洋風のレトロな建築物。
取り壊しが決まっていたこの場所を、無理を言って、引き継がせてもらった。
憧れだった、この場所。
医者を志した時からの、俺の夢。
所謂、町の小さなお医者さん。