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第67章 Home Doctor by つぎこ
「 ここって、ある意味、裏切られるよね。」
潤が、口癖のように言ってるコト。
外観のレトロな佇まいや、待合室の調度品たちとは趣を異にして、診察室の中はハイテクな機器に取り囲まれている。
これはある意味、いや、完璧に俺の趣味の部屋だ。
「 そっちこそ、なにかとバージョンアップしてんじゃないの?」
「 そうでもないよ。なにかと面倒なの、和も知ってるでしょ?」
潤とは幼稚舎からの付き合いで、そこから医大まで、ずっと一緒。
何事にも凝り性な潤は、大学病院の医局に残り、希少な症例に携わる道を選んだ。
「…で、なんか用?」
そう。そもそも、コイツが今、ここにいる理由。
「 えーっと…。なんか風邪、かな?」
相変わらずな、その場しのぎの言い訳…。
風邪、ねぇ…。この前は確か腹痛で、その前は…。
毎回、コドモの仮病みたいな言い訳をしてくるんだ。しかも医者のクセに、ベタ過ぎる。
「…あのね。そんなの、そっちの医者に診てもらいなよ。」
大学病院なら、医者は腐るほどいるだろうに…。
わざわざここまで診察に来る、意味が分からない。