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第72章 願わくば花のもとにて… by millie


潤に与えられる熱を感じながら僕は思う。

潤、ごめんね。

寂しそうな顔をさせて。

すべての責任を放棄するようなことをして…。

こうでもしないと潤の傍にいられない。

弱い僕を許して…。

狂った兄を保護する弟でいて…。

そしたらずっと一緒にいられるから…。

僕は生涯、狂った仮面をかぶったままで過ごす。


智、知ってるよ。

昔から演技がうまかったもんね。

大丈夫、俺がすべてから守るから…。
だから俺の前でだけは素の貴方を見せて。

世の中は狂った兄と健気な弟と見るかもしれない。

でも違う…本当に狂っているのは俺だから。

桜に狂わされたまま堕ちて行こう。
永遠に。

潤?聞こえないはずの声が聞こえた気がした。

これは窓の外の桜の見せる幻?
それならそれでいい…。

このまま…いつか僕らの時間がおわるまで…。

<END>

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