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第72章 願わくば花のもとにて… by millie


「智、帰るよ?」

「やぁーよ。さとくん、まだあそぶの。ほらじゅんくん、ゆき!きれいよぉ?」


舞い落ちた桜の花びらを雪のように降らす智。

体は大人なのに言動は幼児のようで、そのアンバランスさが人々の奇異の目につながる。

そこにはあの凛とした兄の姿はなく、幼子のような純真な存在があった。


「今日はもう帰ろう?寒くなってきたし風邪引いちゃうよ?」

「じゃ、じゅんくん、ぬくぬくしてくれる?」


無邪気に智が聞く。


「いいよ。帰って暖まろうね?」


2人だけが出来る温まり方で…。

家に戻りそのまま寝室に雪崩れ込む。


「じゅんくん、すき」


そういって俺の唇に自分の唇を押し付け深いキスを交わす。

幼くなった智はその分素直に自分の欲望を現すようになった。

大好きな兄が見せる幼児性に切なさを感じなくはないがそれ以上に守りたい存在を手にした喜びのほうが大きかった。


「智、ぬくぬくしようね?どうするんだっけ?」

「おようふくぬぐの。じゅんくんも…ね?」


小首をかしげふわっとした顔で言う。

これから行うことの淫靡さと正反対の純真な笑み。

この笑みに俺は狂ったんだ…。


「おいで?『きもちいい』してあげるね?」


そういって膝に乗せた智の全身をまさぐる。
擽ったそうに体を捩る智。


「気持ちいいの?」

「うん!じゅんくん…さとのここ、きゅうきゅうするの」


そういいながら自らの後孔を俺のモノに擦りつける様に腰を動かす智。


「じゃ、痛くないようにするからちゃんと見せて?」


自ら脚を開く智に若干の寂しさを感じながらも俺は自分の熱をそこに埋め込んだ。

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