Welcome to our party
第78章 ひとひらの記憶 by アロエリーナ
僕には、子供の頃から大切にしている
特別な場所がある。
そのとき本当に好きな人にしか
教えなかった場所。
今までだと、潤も含めて四人かな。
近所の裏山、一本桜がある林の奥。
住んでる街が見渡せる、秘密の絶景スポット。
よくここで、夢を語り合ったよね。
同じ養成所で出会って、毎日レッスン受けて
「いつかドラマの主役やりたいね」って。
「どっちが先になれるか競争しよう」って。
君は王子様みたいにカッコイイから、
ラブロマンスなドラマが似合いそうだよね。
生真面目な弁護士とかも、意外に合うかも。
じゃあお前は、偏屈な社長なんてどう?とか
色んな役を想像して、笑い合ったね。
もうそんな会話も、出来ないけれど。
僕の、最初で最後の恋人。
ここでキスしたり、激しく求め合ったこともあったね。
…会いたい。
会いたいよ、潤。
もう一度だけでいいから、君を抱きたい。
薄紅の、花片の雨を浴びながら
僕は、自身を慰める。
「うっ…じゅん…あっ、ぁ…」
あの、艶やかな唇を
とろけそうな恍惚の瞳を
悦びに震える熱い体躯を
プロジェクターになったつもりで
君の幻を、目の前に映し出す。
“あぁイク…さと、一緒にイこ”
麻痺しそうな脳内で、再生される切ない声。
君が纏う、甘いフレグランスまで甦る錯覚。
僕は右手に力を込めて、一気に昇り詰める。
「…潤、愛してる」
吐き出した白濁が、虚しさで、滲んで揺れた。
特別な場所がある。
そのとき本当に好きな人にしか
教えなかった場所。
今までだと、潤も含めて四人かな。
近所の裏山、一本桜がある林の奥。
住んでる街が見渡せる、秘密の絶景スポット。
よくここで、夢を語り合ったよね。
同じ養成所で出会って、毎日レッスン受けて
「いつかドラマの主役やりたいね」って。
「どっちが先になれるか競争しよう」って。
君は王子様みたいにカッコイイから、
ラブロマンスなドラマが似合いそうだよね。
生真面目な弁護士とかも、意外に合うかも。
じゃあお前は、偏屈な社長なんてどう?とか
色んな役を想像して、笑い合ったね。
もうそんな会話も、出来ないけれど。
僕の、最初で最後の恋人。
ここでキスしたり、激しく求め合ったこともあったね。
…会いたい。
会いたいよ、潤。
もう一度だけでいいから、君を抱きたい。
薄紅の、花片の雨を浴びながら
僕は、自身を慰める。
「うっ…じゅん…あっ、ぁ…」
あの、艶やかな唇を
とろけそうな恍惚の瞳を
悦びに震える熱い体躯を
プロジェクターになったつもりで
君の幻を、目の前に映し出す。
“あぁイク…さと、一緒にイこ”
麻痺しそうな脳内で、再生される切ない声。
君が纏う、甘いフレグランスまで甦る錯覚。
僕は右手に力を込めて、一気に昇り詰める。
「…潤、愛してる」
吐き出した白濁が、虚しさで、滲んで揺れた。