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第12章 御主人契約 by アロエリーナ

奥の衝立から、若い男性が現れた。

ビシッとスーツを着こなし、品が良さそう。

ザッツライ、ビジネスマンって感じ。


「大野さん、お久しぶりです」

店員の彼は、爽やかに微笑んだ。


「どうも。お店では初めてだね。僕の友達に
イイ人、紹介してやってよ」

どういう繋がり‥?智の交友関係は、謎だ。


「じゃ悪いけど、用事あるからここで」

なんと智は、オレを置いて店を出て行った。


ちょ、待てよ!と叫ぶ前に、
店員に名刺を渡されてしまった。

「私、櫻井が担当を務めさせていただきます」


「あ‥相葉です。よろしく‥」

こういうトコが、イイ人止まりなんだよな‥


「現在二名しかご紹介できないのですが‥
まずは、ご覧下さい」

店員がチャイムを鳴らすと、
奥から若い男性が二人やってきた。


「あの‥女性は‥?」

櫻井はキョトン顔をした。

「当店スタッフは、男性のみですが」


――っ!智のヤロー!オレはノンケだぞ!?


「ねぇアンタ、早く選んでよ。
ゲームの続きやりたいんだから」


「こら二宮!お客様に失礼だぞ!
申し訳ございません‥」

櫻井が、小柄な方を叱責した。

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