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第87章 green shoots by つぎこ







その日は彼の送りで直帰して…。




「…はい。有難うございます。こちらこそ、宜しくお願いいたします。」

翌日の午後。
先方から俺宛に、まさかの契約成立の電話が入った。

「…櫻井? 」

受話器を持ったまま茫然としてる俺に、隣のデスクから大野の心配げな視線。

「…契約、成立みたい。」

「 えーっ。凄えじゃんっ。」

まるで自分のコトのように喜んで、ぴょんと飛びついてきた。

その肩越しに、心配げな視線がもうひとつ…。


「…お祝い、だな? 」

そう声を掛けてやると、弾けるような笑顔を見せた。



お祝い、なのに、キモチは複雑で…。

あっさり契約をモノにした、彼への複雑なキモチ。




二人きりは避けたくて、大野を誘って…。

複雑なキモチを断ち切るように、飲んで騒いで…。
彼は俺と大野の掛け合いを、にこにこ笑って見てて…。


きっと、元々の『 器 』ってもんが、違うんだろうなぁ…。

なんて…。


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