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第89章 五月雨 by アロエリーナ

真っ昼間だというのに、窓の外は薄暗く
水滴がポツポツと当たっては、垂れていく。

降ったり止んだり、ここ数日だらだら続く雨。


まだ五月なのに、オレの中では梅雨入りの気分。

夏休みまで続くんじゃないかな、これ。

うん、そういうことにしよう。

どうせ登校したって、好きな人と会えないし…

何も楽しいことなんて、無いんだもん。


翔ちゃん。オレはただ、あなたの傍に行きたかっただけなんだけど…

やっぱり、オレとあなたは見えてる世界も、
頭の出来も全然ちがうんだよね。

少しでもあなたに追いつきたいなんて、
身の程知らずのバカだよね。


あーぁ、これからどうしようかな。

自分の進路、間違えたみたい。


ふぁ…眠くてたまんないや。

昨日も、夜中までオンラインゲームのチャットしてたから、家に居るだけでも疲れたな。


世界で一番、心地良い場所…
自分のベッドに深く沈み、目を瞑った。

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