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第12章 御主人契約 by アロエリーナ

「いやっオレ、そっちの趣味ないから‥!」


逃げようとするも、手元にあったタオルで
両手を縛られ、頭上に縫い止められた。


さよなら、オレのバージン‥


「私は‥心が無いのです」

「へっ?」

身構えていたら、今度は突然
泣き出した。


「店に居た二宮も‥過去に辛い事があり、
人と信頼関係を築けないのです。

だからこんな形でしか、人と繋がれない。

心の無い“モノ”になり、主人の命令のまま
仕えることしか‥」



タオルは緩く、すぐに解けた。

潤と手を重ね、彼の左胸に触れた。



「‥お前の心は、ここにあるだろ。

無かったら涙なんて流さないし、

こんな優しく縛ったりしない」


「まさ‥き」


「それでも人に仕えたいなら、オレが一生
お前の主人になってやる」


唇を寄せ、
誓いの意味で、キスをした。



潤は店を辞め、契約は破棄された。

もう契約なんて必要ない。

恋人同士になったから。



「智、お前のせいだぞ。ラーメンおごれ」

「幸せそうじゃん。オイラも翔ちゃんの店
行って、あの子契約しよっかな」


「‥オレを実験台にしたな!?」

「ふふ♪」



FIN

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