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第93章 遠花火 by ガーベラ♡


翌日の収録で。

「翔くん、夕べはごめんね。
絵を描いてたら寝ちゃてさ~」

悪びれもせず、にっこり笑いながら言う。

「そうだと思った。でさ、
いつ行きたいの?花火大会って」

「いつでもいい♪翔くんとふたりで
見れるなら(^-^)」

思わず赤くなる俺の横を、

「お盛んで♪」
って、ニノが冷やかしながら通り過ぎた。

「いいだろ~♪」
智くんはニノに向かって舌を出して見せた。

こういうところ、いつも俺をドキッとさせる。
10年も一緒にいて、未だにこれだから...



花火大会。
そんなのふたりで見に行ける訳がない。
いくら俺にお忍び力があるって言ったって、
見つかったら逃げ場もないし、
パニックになるでしょ?

そこで、俺が選んだのは、
東京で最初に行われる花火大会、
それが真正面に見えるホテルのスイートルーム。

かなり離れてるんだけど、
誰にも邪魔されずに、
ふたりっきりで花火が見れる、
最高の場所。

その日は、別々の仕事だったから、
智くんには場所だけ知らせておいた。

開始時刻の10分前、
俺がギリギリにホテルに着くと、
もう先に智くんは来ていた。

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