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第95章 ひみつ by きぃな
【櫻井side】
今日はPVの撮影
只今俺らお兄さん組は待機中
「…ねぇ智くん、今度のさ、花火大会…行こうよ」
「いいけど…さすがにバレない?」
国民的アイドルなんて言われている俺たちのグループ
実は智くんと俺はコイビトで
そういう秘密の関係だったりする
そんな二人が花火大会なんてところに現れて、バレたりでもしたら、それはそれは大騒ぎになるのは間違いない
「……ほら、その日は十三夜だし…あれだったらバレないでしょ」
「うーん」
「ね、じゃあ決定♪」
去年はコイビトじゃなかったから、一緒に行けなかったんだ
だから、今年は…
相「終わった~」
松「結構踊ったね」
二「次はおじさん組ですよ?」
戻ってきた三人と入れ替わるように、俺と智くんが立ち上がる
「『お兄さん』な」
智くんがふふっと微笑って俺を見る
前室から出てスタジオに向かっていると
「ねぇ…」
「うゎ…っ」
智くんに急に腕を引かれ、人気のない通路に連れ込まれる
「ごめ…っ、ちょっと、翔が足りない…っ」
「もぉ…撮影前だから、ちょっとだけだよ?」
俺は上着のボタンを外して、胸板をあらわにする
「んふふ、ありがと」
智くんが俺の胸に顔を埋める
「ん……っ」
チクッと感じる鈍い傷み
「っ、はぁ…っ、ごちそうさま」
そう言って笑った智くんの口の端
赤い血がにじむ
そう……
彼は
ヴァンパイア