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第98章 遠恋花 by のさまじょ


君の白い胸を俺の無骨な手が這う。
甘い吐息が、鼓膜に響くたび熱くなる。
これ以上ないというくらい、熱いのに…

噴き出る汗を、君の白い手が拭っていく。
微笑むと、俺の頬を包んで顔を近づける。
唇が重なって、熱い舌が口内に入ってくる。

「なんで…」
「ん…」
「なんで君は…」

また唇を重ねられ、言葉が継げなくなる。

「お願い…欲しい…」
「え…?」
「あの時みたいに…して…?」

身体が震えて止まらなかった。
ずっと願っていた。
君に、触れること。

「いいの…?」
「うん…もう、怖くない…」
「なんで…?」

君は微笑むと、また唇を重ねた。

「好きだから…」

信じられなかった。
俺はあの日、罪を背負ったと思っていたから。
だから君は俺の前から消えたのだと…
そう思っていた。

「本当に…?」
「うん…」

君を組み敷く俺の首に、腕をまわしかけ君は微笑む。

「ずっと…ずっと好きだった…」

一筋、君の目から零れ落ちる雫…

「今も…好きでたまらない…」

引き寄せられた腕に溺れるように身体を重ねる。
君の熱に引きずられるように、俺の身体は君と重なった。

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