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第98章 遠恋花 by のさまじょ


また、花火が上がった。

今度は一輪だけ…
大きな大きな花が、夜空に浮かんで一瞬で消えた。

「あっ…ああ…熱い…熱い…」
「凄い…気持ちいい…」
「気持ちいいの…?」
「ああ…とっても気持ちいい…」
「嬉しい…もっと、奥に入れて…?」
「痛くない…?」
「うん…気持ちいい…」

俺の動きに合わせて揺れながら、君は快感に打ち震えてる。
嬉しくて、泣きそうで…
腰を打ち付けて、なんとか涙が出るのを堪えた。

「どうしたの…?泣かないで…」
「泣いてなんか…」

君の手が俺の頬を撫でていくと視界がぼやけた。

「綺麗だよ…涙…」
「君のほうが…綺麗だ…」

幾筋も君の目から溢れる涙を、唇で掬い取った。

「ありがとう…やっと…願いが叶ったよ…」

ぎゅっと抱き合うと、俺達は快感を昇りつめた。

「智くん…好きだよ…」
「翔…好きだ」

俺たちはそのまま抱き合って夜空に浮かんだ。

「さあ…行こう…迎えに来たんだ…」
「ありがとう…待ってたよ…」

君が俺の前から居なくなって40年…
やっと、やっと出会えた…

もう、離さないよ…



夜空に浮かぶ俺たちの下を、大輪の花火が散っていった。



【END】

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