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第3章 視線を紡いで by みきちん

二宮side


学校帰り、いつも立ち寄るCDショップ。


ここは、彼との待ち合わせ場所。


彼はその事を知らない。


だって、彼の名前も知らないのだから。



出会いは、半月くらい前。


この日は俺の好きな
アーティストのシングル発売日。


お店に入ると一目散にいつものコーナーへ 。


試聴用に発売されたCDがあったので
ヘッドフォンをつけ、聴き入る。


曲を聴き終え、ヘッドフォンを外すと
後ろから視線を感じた。


振り返ると、少し遠くに
俺と同い年くらいの男の人がいた。


俯いていたので顔は見えない。


気のせいかな?


明確な答えは出なかったが曲を聴けて
満足だった俺はCDショップを後にした。


――次の日


店内をウロウロしたあと、
いつものコーナーへ。


昨日と同じように
試聴していると視線を感じた。


ゆっくり振り返ると、
昨日見かけた彼が遠くに立っていた。


もしかして、試聴したいのかな?


ヘッドフォンを外してその場を離れた。


店内を出る前に振り返って確認したが、
彼はその場に留まったままだった。

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