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センチメンタルメモリー

第7章 夜蝶


「あ、それとこれ名刺」

椿さんに渡された名刺ケースの中には私の名前“椿姫(Tsubaki)”と店の名前、電話番号が乗っている名刺があった。

「そのケース、私達が買い物してる時に直哉さんが選んでてくれたのよ。
最初、体入だと本当は作らないんだけども翼ちゃんは本入店の方向で進めているから昨日作っといたわ」

「あ、本入店になると思います。
それより直哉が?」

ケースはピンクを基調として赤や白などでデコってあった。

「これ、一人で買ってたんですか?」

あの直哉がこんな女の子っぽいものを買う姿を思い浮かべでふっと笑ってしまった。

「ふふ、私も直哉さんがそこまでするのは初めてでびっくりしたわ。
そして想像するだけで面白過ぎるわ」

そう言いながら私と椿さんは笑った。

「さぁ、まずは顔出しから始めましょう」

椿さんはそう言って扉を開けた。

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