センチメンタルメモリー
第7章 夜蝶
「椿姫ちゃ〜ん!指名入りました〜」
ボーイに呼ばれ指名された客の席に着く。
「お久しぶり、椿姫ちゃん」
この客は来店してから私をずっと指名してくれる。
お金も持ってるかっこいい人。
「お久しぶりです、柳瀬さん」
柳瀬春輝。32歳の若さで大手企業の社長に任命された。
歳とは思えないルックス。
見た目は20代半ばに見える。
手慣れたように柳瀬さんのタバコに火を着け、いつものお酒を作る、
「椿姫ちゃんはさ〜、指名多い方?」
タバコを吸いながら聞かれる。
「まだ1ヶ月ぐらいしか経ってないですけど、ぼちぼち入りますよ」
「へぇ…」
どうぞ、とコースターを置きお酒を渡す。
柳瀬さんは1人で来るときはいつもの私を指名してくれている。