センチメンタルメモリー
第7章 夜蝶
それから1時間以上、他愛のない話をして盛り上がった。
私は完璧にお酒に飲まれてしまっていた。
「柳瀬さぁん…私…もぅ無理…」
「ふふ、椿姫ちゃんてお酒弱かったんだね」
「いぁ!よあくないです!」
「強がんなくていいよ」
そう言いながら柳瀬さんは面白そうに笑った。
「さて、と…
椿姫ちゃん、この後は?」
お会計を済ませ店を出る。
時刻は12時を超えて1時近くになっていた。
「明日は、お仕事やすみなんれすょ〜」
柳瀬さんに介抱されながら歩く。
この後はぐっすり寝れればいい。
「俺も休みなんだ、良かったら家に泊まってかない?」
「ほぇ!?そんなぁ、わるいですよぉ」
まだいいと言ってないのに柳瀬さんはタクシーを止め、私も一緒に乗り込んだ。
「帰って寝よ?」
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ柳瀬さんが子供っぽく見えた。
なんだか、嬉しい気分。
私だけしか知らない柳瀬さん。