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腹黒ドS王子の愛する人

第4章 熱

色素の薄い髪を撫でる。


その時こめかみらへんに傷があるのを見つける。



なんだこの傷、切り傷?



葵が起きないようにゆっくりと撫でる。





「うっ....父さん、母さん...にいちゃっ.....」





いきなりうめき声を上げ泣始める葵。
訳ありとは思ってたけど、なくほどまでなのか?
俺の存在を確かめるように弱々しく俺に擦り寄る。
いつもと大分違うな。やたら素直だ。


葵が被っているシーツごと抱き寄せ初めてであった時のように背中をたたく。




「俺はここにいるぞー、ほらもう寝ろって。」


「置いてか..ない...で...」



「置いていくわけねーだろ。俺は心底お前に惚れてるからな。」






その言葉に安心したのか穏やかな顔をして眠り始めた。

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