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aspirin snow

第4章 ***

外の世界から戻れば。

御伽噺の世界も終わりを告げる。


 「やっぱり北国の寒さは違うね。
  芯まで冷えちゃったから、風呂入るわ。」


ゆっくりと階段を上り、部屋へと入っていく彼の背中を見つめた。





雪原での口づけや、先ほどまでの手の温もりは、
やはり夢だったのだと。

雪の煌きが二人にかけた魔法だったのだと。



そう、自分に言い聞かせた。

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