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aspirin snow

第6章 *****


 「もしもし?碧音さん?」


いつになく沈んだ声の櫻井さんの電話を受けたのは。


 「ちょっとね…
  碧音さんに聞いてもらいたいことがあって。」


二宮さんがこのペンションに来る、前の晩だった。


 「今、時間ある?」


櫻井さんからの個人的な電話に戸惑う私に。


 「ただ、聞いてくれれば。
  それだけでいいから。
  少しだけ、時間ちょうだい?」


彼は語りだした。

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