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aspirin snow

第3章 * *

東京からの飛行機は、週に2回、1日1便だけだから。

二宮さんが到着するであろう時間を予想するのは簡単で。

日が暮れるか暮れないかという頃に到着するであろう彼を、
部屋を暖め、疲れた身体を癒すハーブを調合しながら待っていた。





車のエンジン音とバタンとドアを閉める音を聞き、彼の迎えに出る。


私の姿を捉えた彼は、

 「こんにちは。
  あ、もうこんばんは、かな?
  さすがにこっちは日が短いね。」


辺りを見回し、そう言った。


 「長旅、お疲れでしょう。
  よろしければ、お荷物は私が運びますから。
  中へどうぞ?」


促す私に、


 「ありがとう。
  でも、こいつら、俺の商売道具だからさ。
  自分で運ぶよ。」


大きなボストンバッグとラップトップコンビューターが入っているであろう平らなバッグ。

そしてなにやら横長の大きな物体を肩に担いだ彼は。


 「まずは仕事場を整えたいんだけど。
  部屋に案内してくれる?」


華奢な身体でよくもこんなにたくさんの荷物を持つものだと、半ば呆然と見ていた私にそう声をかけた。

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