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あなたに精力うばわれちゃいます!

第1章 風馬牛

私はなぜだか昔から不幸体質で、いつも一緒だった姉に助けられてばっかだった。
水上縁(みなかみゆかり)、高校二年の16歳。
たった今、物凄くチャラそうな先輩に絡まれています。

「ずっと水上ちゃんのこと好きでさー」

何故か先輩は私に徐々に近づきながら話している。
私は後ずさりして、距離を保つ。

「水上ちゃん、なんで逃げるのかな?」

「えっと…顔が怪しいので…」

「不審者扱いかー。俺のこと嫌い?」

「い、いえっ、嫌いとかそういうのではなく…」

「あーあ、俺傷ついちゃった。癒してくれるよね?」

「癒し…と、は?」

嫌な予感を察知した私は、うまく話を合わせつつも、逃げようとした。
しかし場所は体育館裏。
地面はずっと日陰でじとじとヌメヌメしていたため、物凄く歩きづらい。
仕方ない、と思い全力で逃げようとした。

「逃がさねーよ」

「ひゃっ!?」

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