あなたに精力うばわれちゃいます!
第3章 満身創痍
Yukari side
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「『手遅れな状態になってしまった。あたしがもう少ししっかりしてれば、こんな事にはならなかったのに…だから、アンタは逃げて。あたしはここでの戦いが終わったら、すぐに聖の所へ向かうから』………それが俺の聞いた姉ちゃんの最後の言葉だ」
「お姉さん…今は…?」
「…わからない。俺はあの家とは決別してるからな」
「もしかして、一人暮らしを…?」
「いや、ダチの家に世話になってる」
「…そっか」
まさか、朝霧くんにそんな過去があったなんて…。
私のとこの家族が、いかに幸せかわかる。
そういえば、話をする前に朝霧くんは私にも話が関係してくる、なんて言ったけど…そうでもないような…?
「俺はこんな体で生まれてきた以上、女を抱かなければならない運命なんだ。だからそろそろ相手を決めなければならない」
確か、話で聞く限り朝霧くんは精力を吸わなければ暴走してしまう?なんて言ってたっけ。
そのあたりは話が複雑でよくわからなかった。
「そこで、だ。俺はお前を候補に入れる」
「……ン?」
私が、候補?