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あなたに精力うばわれちゃいます!

第5章 意気消沈

その日は夜分遅かったため、仕方なく朝霧くんの部屋にお泊まりすることになった。

今こうして、憧れの人の部屋に泊めてもらい尚且つ朝霧くんが使っているベッドで寝かせてもらえているという事実。夢に見てもなかったことだ。
しかし、先程の状況が五分間隔でフラッシュバックするものだから、私の気持ちは嬉しさと申し訳なさのオンパレードだ。

現に気まずさも取り残しているものだから、朝霧くんは自分の部屋で睡眠をとることもなく下の階のリビングにいるようだ。
これも私のせい。


『お前も、性行為は好きな奴としたいと思ってるだろ』


って、言っていた。

お前も、って事は朝霧くんも心から好きになった人じゃないと、性行為することは許せない人なのだろう。
それなのに、私は……。


「その場の雰囲気に流されて、構わない、なんて言っちゃって……」


なんて最低な女なのだろう。

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