あなたに精力うばわれちゃいます!
第5章 意気消沈
「ええっ!?なんでそこで精力貰っておかないのさ!!」
「うるせえっ!声が大きいんだよお前はっ…」
突然の驚きの声と怒鳴り声で思わず身を起こし、シーツをぐちゃぐちゃにしてしまう。
いっけないいけない、折角朝霧くんが綺麗にベッドメイキングしてくれたのに。
「ったく…」
「それにしてもなぁ、お前って変なところで優しすぎるんだよな」
それについては同意です。
私は静かに一人で小さく手を挙げて同感の意を示した。
どうやら朝霧くんとの同居人__友達と話しているようだ。
距離からすれば、私が今いる部屋の目の前で話している様子。寝る前の立ち話でもしているのだろうか。
「別に…俺は変なところで優しくしたつもりもないし、元から優しい奴でもない」
「そういうのって自覚できないんだぜ?」
「はあ…?お前からわかったように言われるのなんかムカつく」
「これでも長い付き合いだろー。んまっ、お前の人生だから好き放題やってもらっても構わないけどさ」