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ペットではなく家族です。

第10章 葉子の想い



寛一「5万か…」


葉子にはああ言ったものの
今現在、持金と貯金を合わせても5万円
しかなかった

恥ずかしながら…


寛一「はぁぁ…どうするかな…」


この時はまだ
売れない画家だった寛一
収入も少なく生活費のほとんどを葉子に
頼っていた

収入は減る一方、入院費など出費は増え
生活は完全に火の車
大赤字だった


葉子「寛一、ちょっと痩せた?」

寛一「そうかな」

葉子「痩せたよ、って言うか窶れた感じ
ちゃんとご飯食べてる?」

寛一「食べてるよ、ただ一人での食事は
やっぱり寂しいから」

葉子「…」


病人に心配させるなんて最悪だった
次からは気をつけなければ

気づかれないように
色々と…


葉子「葉子は元気?」

寛一「元気だよ、でも寂しいのか葉子を
探してる感じ」

葉子「葉子に会いたい…会いたいな」

寛一「すぐに会えるよ」

葉子「…ぅんっ」


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