ペットではなく家族です。
第10章 葉子の想い
新薬で癌は最小限になっている
手術はすぐに終わる
正行のその言葉を信じ寛一は待ち続けた
手術室の前で何時間も
いつまでも…
寛一「…葉子っ」
だけどその結末はあまりに辛く…
寛一「葉子…葉子っ…」
葉子「…」
正行「最善を尽くしたのですが…誠に…
誠に申し訳ありません…」
寛一「葉子…」
葉子「…」
髪を撫で頬に触れ
何度もその名前を呼んでみた
だけど寛一の声に葉子が反応を示す事は
なかった
目を覚ます事も二度と…
寛一「葉子っ…葉子ぉぉ…っ…」
葉子「…」
葉子を亡くし悲しみに暮れていた寛一
立ち直ったのは葉子を亡くし
49日後だった
寛一「辞めた?」
看護師「はい、一ヶ月前に突然」
寛一「そうですか…」
葉子の死の真相を調べる為
病院に向かい担当医師だった黒田正行を
訪ねた
だけど不思議な事に正行は一ヶ月前に
病院を辞めたらしい
突然…
寛一「…」