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ペットではなく家族です。

第10章 葉子の想い



寛一「お願いです、話しだけでも」

記者「その手の話題はごまんとあるんだ
よ、だから悪いけど」

寛一「恋人が殺されたかもしれないんで
す、だから」

記者「相手が悪いよ、ごめんね…」

寛一「あ…」


一人で調べるには限界があり
新聞社や雑誌などに記事にして欲しいと
必死にお願いしたが
証拠もなく
本人も病院を辞めていて
看護師が証言してくれるかも難しく

何より相手が大手の大病院と
相手が悪すぎた…


寛一「…くそっ」


記事にするだけ無駄
記事にし発表しようとしたら
権力で消され逆に発表しようとした会社
が潰される

それが現実だった


寛一「…」


どうすればいいかわからなかった
わからなくて不甲斐なくて
気づいたら…


寛一「…葉子…っ…葉子、俺も…」


葉子の遺影を抱きしめ
カッターの刃を手首に当てた
ヒンヤリ冷たい刃の部分には自分の顔が
映っていた

情けない自分の顔が…


寛一「俺も…今から行くから…」


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