ペットではなく家族です。
第10章 葉子の想い
寛一「…葉子っ」
天国で葉子に会える事を信じ
手に力を込めた寛一
だけど…
寛一「…!!」
葉子「…」
寛一「葉子…お前っ…」
葉子「…」
寛一の自殺を
引き留めるかのように
蛇の葉子が寛一の手首に強く巻き付いた
久しぶりに見た葉子は酷く痩せていて
寛一は最近の自分の行いを
酷く反省した
自分は一体
何をしていたのか…
葉子を守れるのは自分しかいないのに
亡くなった葉子の為にも自分は
生きなければ
生き続けなければいけない
これからも…
寛一「ごめん…ごめんな、葉子…」
葉子「…」
寛一「ごめんっ…」
その日を境に
寛一は必死に生き続けた
権力を得る為、有名になる為に
何枚も何枚も何十枚もの絵を描き続けた
そして数年後
久遠寛一の名は有名になり
彼の言葉、行動は力を持つようになって
いた
寛一「…」