
友恋
第8章 高鳴り
すると副委員長は私に向かって手で本を読む動作をしてきた。
え、いきなりなに?
パントマイム?
「“ほ・ん”」
口で何かを訴えてきている彼。
本?
いや、まぁその動作で分かるけど本が何?
「あ…」
今日の放課後図書室に来いって言いたいのか。
校庭に笛の音が響き、彼もそれに反応して集合場所へと身体を向けた。
向かっている途中、首だけを私に向けたが、向けただけですぐに戻し、彼の姿は小さくなって行った。
…行かないってば。
私は小さくなった副委員長を見つめながら、机に顔を伏せた。
