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友恋

第8章 高鳴り






「あの人が、副委員長が私を“姫”って呼ぶのが…嫌だから…」


最後の方は小さな声になってしまっていた。



「…そっか。」


楓も小さな声で返答し、それ以上は何も言ってこなかった。



「私も…トイレ行ってくる。悠樹が戻ってきたら伝えて。」


私は足早にトイレへと向かった。




















パタンッ



“どうして副委員長はダメなの?”


楓の言葉が頭から離れない。




どうして?


…どうして…




“姫”

そう呼ぶから。


あの呼び方に慣れたくないから…



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