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友恋

第8章 高鳴り







「なんかフラれた気分だねー。」


女子トイレに声が響いてきたので、私はつい身体を構えた。



「せっかく一之瀬くんと近づけるチャンスだったのにぃ。」



一之瀬…って…



「でも、一之瀬くんに結構話しかけてるのに未だに名前覚えてくれないよねー。」


「それ!そろそろ覚えてくれてもいいよね。はなっから覚える気ないのかな。」




名前…


“ひーめ”

う、うるさい。

あっち行け。


私はポンッと頭の中に出てきた副委員長を払い除けた。



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