
友恋
第8章 高鳴り
「図書室張り込んじゃう?誰が一之瀬くんと本の整理するか見たいし。」
ドクンッ
「えー、なんかそれ野次馬の負け犬みたい。」
「だって悔しいじゃん、私達ずっと一之瀬くん見てきたけど、少なくとも学校では女の影なかったのにさ。“他の子に頼んであるから”だよ?他の子って明らか女じゃん。」
ジャーーーーッ
力強い水が水道から流れ出る。
「夏実は本気で一之瀬くんの事好きだもんね。私は目の保養って感じにしか思ってないけど。」
トイレから出たいのに出られない。
“…どうして出られないの?”
楓の声が聞こえた気がした。
だって外の人たち副委員長の話してるんだよ。
気まずいじゃん。
“どうして?”
どうして…?
