テキストサイズ

友恋

第8章 高鳴り






「タイムセール間に合わねーから俺行くわ。ゆう、気をつけて帰れよな。」


「…うん。ありがと。」


悠樹に聞こえるか聞こえないかの瀬戸際の声で私は答えた。















「全く。そーんな顔しちゃって。」


「楓…私…」



ポンッ

楓が私の頭に優しく手を乗せた。



「“分からない”なら聞くのが一番。」


「えっ…」



「行ってきな、図書室。」


あまりにも楓が優しい笑みを向けてくるので、胸がキュウッと締め付けられた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ