
友恋
第8章 高鳴り
ギシッ…
副委員長が私との距離を縮めてくる。
「なんで?」
副委員長が問いかけてくる。
『“分からないこと”は聞くのが一番。』
「わ、私も副委員長に聞きたいことがあるんです。」
私は楓の言葉に力を借り、声を振り絞った。
ピタッと副委員長が歩みを止めた。
「どうして本の整理、私に頼んだんですか?」
自然と握りこぶしをつくり、体に力が入る。
「どうして…」
声が震えてくる。
「どうして“姫”って呼ぶんですか。」
なんでだろう。
泣きそう。
「私は優姫だって言ってるのに、どうして優姫って呼んでくれな…「姫。」
ほら、また。
またそうやって私のことを呼ぶ。
