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友恋

第8章 高鳴り






ギシッ…


副委員長が私の前までやって来た。


手を伸ばせば触れられる距離だ。



「こ、答えてください…」


私はどこに視線を持って行って良いのかわからず、俯きながら言った。



「…顔上げてよ。」


そう言われると、上げづらくなる。



「ねぇ、顔上げてって。」




サラッ

副委員長の手が、私の髪に触れた。


私はつい、顔を上げた。



「…俺だけが、姫のことを姫って呼びたかったから。」



ドクンッ

私の髪を触ったまま副委員長が静かに言った。


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