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友恋

第8章 高鳴り






「た、拓海なので、“たっくん”はいかがでしょうかっ。」


自分でも何を言っているのか分からなかった。

身体全体が熱を帯びている。



「なにそれ、可愛い。」


副委員長はフハッと笑顔を見せた。



「たっくんとか呼ばれたことねーし、俺のキャラじゃねー。」


「で、ですよね、ダメですよね。」


私は揺れた髪を手で直す。




「いや、いーよ。」


「えっ…」



「他のやつなら嫌だけど、姫が呼んでくれるなら、“たっくん”が良い。」


そう微笑む彼を夕日が照らし、眩しく見える。



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