
友恋
第10章 ナミダ
「ドラマチックに名前でも呼べよ。」
「名前?」
「れーん!って。」
蓮がニヤッと笑った。
「や、やだよ恥ずかしい。」
私はサッと視線を逸らす。
「で?なんでこっちの校舎にいんの?」
「あ、たっく…いや、一之瀬先輩に図書の名簿貰いに来たの。」
用を忘れるところだった。
「あー、拓海なら職員室に呼び出されてたから暫く戻ってこねーんじゃねーかな。」
「…蓮と一之瀬先輩って仲良いの?」
「あ?まぁ、普通。気づいたら一緒にいるだけ。」
それを仲良いというのではないのだろうか。
男と女では違うのかな。
