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友恋

第10章 ナミダ







「ふぅ…」


私は小さく息を吐き出し、旧図書室のドアノブに手をかけた。




キィッ…


古い造りになっているからか、中は広々としている。




木でできてるけど、ホテルのロビーみたい。






ギシッ…


ギシッ…


やはり歩くたびに床が声を上げる。



「たっ…」


私は出しかけた声を止めた。



もし私を呼んだのがたっくんじゃなかったら。


“たっくん”なんてあだ名、気に食わないはずだ。



「…一之瀬先ぱーい。」


私は呼び方を変えて、辺りを見渡した。




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