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友恋

第10章 ナミダ







「…一之瀬君なら用事があるからって帰ったわよ。」


声の主は“夏実”と呼ばれていたあの女の先輩だった。



「…わざわざ伝えに来てくれたんですか。」


「こんな時間まで待ってるとは思わなかったけどね。」




パンパンッ

私は立ちながらスカートを叩いた。



「先輩が伝言教えてくれたんじゃないですか。」


「…とりあえず、一之瀬君は来ないから。あなたもさっさと帰りなさい。」


そう告げると、彼女はクルッと扉の方に向かって歩いていく。



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