
友恋
第11章 特別
「…もう。」
楓がしょんぼりとする。
いつも元気な楓があんな表情をするなんて。
初めて見たかもしれない。
「あ、ごめん優姫。この人は“雅(ミヤビ)”って言って、ママとパパがいないときに家のことをやってもらってるの。雅、この子は私の友だちで優姫だよ。」
「優姫様、お話はよくお嬢様から伺っております。お嬢様は元気が良すぎるのですが、今後とも仲良くしてくださると私も嬉しいです。」
「そんなそんな、私のほうが楓にはお世話になってるので、こちらこそお願いします。」
私は雅さんにつられて深くお辞儀を返す。
