テキストサイズ

友恋

第11章 特別






「家が金持ちなだけあって、友達も呼びたがらなかったのに、今日が初めてだよ、友達連れてくるなんて。楓にとって優姫ちゃんは心許せる友達なんだって思った。」


雅さんが優しく微笑む。



「さっきは使用人として頼んだけど、今は楓の幼なじみとして言う。これからも楓をよろしくな。」


「もちろんです、私も…楓は大切な友達なので。」


そう言うと、雅さんは嬉しそうに笑った。




ガチャッ


「優姫ー、そういえば一之瀬先輩の連絡先とか知らないの?」


楓がワゴンを押しながら入ってきた。


すると雅さんはキュッとネクタイを締め直し、楓に駆け寄った。



「お嬢様、話すか押すかどちらかにしてください。ほら、飲み物が溢れてしまいそうです。」


雅さんは使用人スイッチが入ったようだ。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ