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友恋

第11章 特別







「私はその場面しか見てないから、急いで止めたんだけど、橘くんすごい悔しそうな顔してて…」


「悠樹が…」


私が知らないところで何があったのだろうか。



「お嬢様。」


雅さんが紅茶の入ったカップを楓に差し出す。



「知らない方が良いこともあるのですよ。」


「え…?」


楓はカップを受け取りながら首を傾げた。


次に雅さんは私にココアの入ったカップを差し出した。



「知らない方が良いこともある、そして人には知られて欲しくないこともある、ってことですよ。」


雅さんが優しく微笑んだ。



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