
友恋
第3章 友だち
「…帰ったよ。引き止めておけばよかった?」
「えっ…」
私はすごく嫌な口調で吐き捨てた。
そうか、やっぱり楓も所詮は今までの女の子たちと同…
「全然!むしろ、橘くん帰ってくれて嬉しい!」
「…へ?」
予想外の言葉に私はつい間抜けな声を出してしまう。
「2人はいつも一緒に帰ってるってクラスの女の子たちが噂してたから…橘くんが帰ったってことは、私優姫と一緒に帰れるってことじゃん?」
楓が首を左に傾かながら笑った。
「…楓は悠樹目的じゃないの。」
今まで私に近寄る女の子は、大抵悠樹目的の子だった。
