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友恋

第3章 友だち






「…同じ“ゆうき”でも、私は優姫と…」


楓は私の掌を優しく握り、



「笹原優姫と友達になりたいんだよ。」


と柔らかな口調で微笑んだ。





とも…だち。





「なんで私と…」



ぶっきらぼうな返答しかしていないのに。

楓のように優しい笑顔なんて作れないのに。




「なんで?なんでかな。直感!」



ニヒッとまるで子どものように笑う楓の表情に胸が締め付けられた。



「…ダメかな。」


笑ったと思えば、今度は不安そうな顔で私を見つめる。




「…変わってるね、楓は。」


つい、頬が緩んでしまった。


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