
友恋
第3章 友だち
私は席に座り、カバンから必要なものを取り出す。
「ねえねえ、ずっと休んでたここの席の子って男の子だっけ?」
「えー?なんで?」
「なんか、胸ポケットのところにバッチ付けるらしいんだけど、男と女で色違うの。名簿見たら、名前が“楓”なんだけど…」
「あー、じゃぁ男じゃん?」
「女の子だよ。」
私はクラスメートの女の子が持っていたバッチ袋の中から赤色のバッチを取り出し、楓の机に置いた。
「名前だけで性別決めつけないほうが良いよ。」
「あ、うん…」
私はクラスメートの2人にそう言い、自分の席に戻ろうと振り返ると、
「…おはよっ!」
そこには楓が立っていた。
