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友恋

第4章 名前





「うっわ、めっちゃ混んでるじゃん。」



購買はたくさんの人で溢れていた。



「小さいのに、よくあの群れの中に挑んで行けたね。」


楓が私の身体の下から上へと視線を動かした。



「いや、いつもは…悠樹が取って来てくれてて…。別に私が頼んだわけでもないんだけど…。」





そう。

いつも私が群れの中で身動き取れないでいると、悠樹が見つけてくれて言ってもいないのにメロンパンを取ってくれていたのだ。


…私って悠樹に助けられてばかりだな。

なのに…いや、だからたまに悠樹から離れたいと思う時がある。


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