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友恋

第4章 名前






振り返ると、会計の列で後ろに並んでいた男子が私の腕を引っ張っていた。


「な、なんですか。」


見下ろしてくる彼に私はタジタジと尋ねる。



「…前から思ってたんだけど、ちっこい身体してんだから、もっと食え。」


「…はい?」


漫画だったら目が点になってるぞ。



「ん。」


パサッ


彼は私の持っているメロンパンの上にクリームパンを乗せてきた。



「え、あの…」


「ちゃんと食えよ、笹原優姫。」



そう言うと、彼は私に背中を向けた。


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