
友恋
第4章 名前
「へぇ、さっきの人クリームパンくれたんだ。優姫が買うのいつも見てたのかな。」
悠樹と別れて私と楓は庭へと向かった。
「ほんとに全然知らない人なの?」
楓が私の腕にピトッとくっつきながら尋ねてくる。
「…多分。人の顔あんま覚えられないからなんとも言えないけど…」
「ははっ、優姫っぽいね。」
実はどこかで…会ったことあるのかな。
「ま、またきっと会うでしょ、向こうが優姫に気があるなら尚更。」
「気があるなら?」
「うん。じゃなきゃいきなりクリームパンあげないっしょ。まぁ、優姫可愛いから何かあげたくなっちゃうのは分からなくもないけど。」
楓が楽しそうに言う。
