
友恋
第6章 表情
「えー、可愛いと思うけどなぁ。」
「はいはい。」
いじけている悠樹に適当に相槌を返しながら、私は商品に目を向ける。
「あ、これ可愛い。」
私はそばにあったトイプードルの形をした筆箱を手に取った。
この耳のフワフワしてるところがどことなく楓っぽい。
「お、これ水無さんっぽいじゃん。」
背後からヒョイっと悠樹が私の持っていたトイプードルの筆箱を取った。
「でしょ?じゃぁこれにしようかな。」
今まで友達にプレゼントを送ったりしたことなかったけど、誰かのことを考えながら選ぶのってこんなにも楽しいんだな。
